こんにちは!
ガンバリオンの広報です。
ガンバリオンの基本精神の一つに「最先端の技術追求」があります。日々進化を続けるゲーム業界の中で、クリエイターは常に最先端の技術を学び・習得し・追求することでユーザーが求める「新しい面白さ」を提供することが出来ます。会社としてもスタッフの技術習得だけでなく技術発信の取り組みを積極的に行ってきました。
そこで今回は昨年、福岡で開催されたゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC+KYUSHU 2024」にて技術講演を行ったスタッフ2名にインタビューを行いました!今回は入社4年目の若手スタッフも登壇をしており、ガンバリオンへの応募を検討している学生の皆さんにとっても参考になるかと思いますので、ぜひご覧ください!
目次
■小田(写真右)
九州芸術工科大学 大学院 芸術工学研究科 芸術工学専攻 博士前期課程 卒業
ドキュメント制作会社でDTP・マネジメント経験を経て、2021年アーティスト職として途中入社。アーティスト向けツールやデジタルアセットの作成、シェーダ構築等を行う。また外部委託における会社窓口も担当。■深澤(写真左)
高知大学 理工学部 化学生命理工学科 卒業
2020年アーティスト職として新卒入社。主にエンバイロメントの制作をシェーダ構築の他、MELやPython、Houdiniを使用したツール作成を行う。
CEDEC+KYUSHUについて
コンピュータエンターテインメントの開発者に対して、九州から最新の技術情報を発信する九州最大級のカンファレンスです。2020年からはオンラインでの配信も行い、九州のみではなく全国へ向けて情報発信を行っています。
ガンバリオンは毎年講演公募に応募しており、今回も厳正な審査の上で講演が採択されました。
セッション概要
テーマ:「より魅力的な破壊表現を目指して! ~ゲーム開発における処理と工夫~」
内容:
実際のゲーム開発において取り入れた、事前処理による破壊表現について解説していきます。
一般に破壊表現というと、物体を細かく分割して力や重力によって吹き飛び・落下する処理を取り入れるかと思います。ただ、その処理を入れるゲーム仕様や要件、プラットフォームなどの条件に応じて細かい対応が変わってきます。物質に応じて壊れ方は違うのか、ひび割れ処理をどう行うのか、どのようなフローで大量のアセットの破壊データを作成するのか。
今回の発表ではどのような条件・要望・課題がある中でどのように工夫して対応を取り入れていったか、成功例・失敗例交えて紹介していきたいと思います。
講演資料と詳細をCEDiLにて公開中
「より魅力的な破壊表現を目指して! ~ゲーム開発における処理と工夫~」
学生時代と登壇の経緯
■二人は学生時代、どのような事をしていたのか教えて下さい。
小田:自分は高専の情報工学科で画像処理関連のプログラミングの勉強をしていました。大学に編入してからはモーションキャプチャを使った研究をしており、当時の技術としてはかなり最先端のものだったと思います。ゲーム業界に入りたいという思いは中学生の頃から持っていました。
深澤:大学は化学や生物を学ぶ学科だったので、そういった授業や実験が多かったです。独学でデジタルイラストやモデリングを勉強するなどして、1年生の頃からアーティストとして就職することを意識して過ごしていました。
■CEDEC+KYUSHUへの登壇が決まった経緯を教えて下さい。
小田:ガンバリオンでは毎年、CEDEC+KYUSHUに応募する講演案を開発スタッフに対して自薦・他薦を問わず募集しています。当時のアーティストリーダーが、私たちが担当していた「破壊表現の試行錯誤の知見・Houdiniを使った処理」を推薦してくれたことで社内選考会で採用され、CEDEC+KYUSHUに応募・めでたく採択されたという流れになります。
深澤:「ガンバリオンの講演案が決定した」と社内連絡があった数日後に、小田さんから「一緒に登壇しませんか?」と連絡を頂きました。
小田:内容的に1人でも出来るかな?と考えたのですが「会社として出来るだけ沢山のスタッフに登壇経験をして欲しい」という意向があったので、講演内容の一部である破壊の工夫を担当していた深澤さんに声をかけさせていただきました。
深澤:声をかけてもらえた時は光栄な気持ちでしたが、同時に講演の準備や発表は大変だろうなぁと思っていました(笑)
講演に向けての準備
■講演を行う上で心がけたことはありますか?
小田:単に自分たちが頑張った事や大変だったことを発表しても、聴講者のこれからの業務に活かせない内容でないと講演の意味がありません。「そういう考え方・手法があるのか、この手法は今後の開発に活かせそうだ」と思ってもらえるような講演にすることを心がけていました。
深澤:単純ではありますが、講演のスライドや発表の仕方も含めて出来るだけ多くの聴講者に分かりやすいと思ってもらえるような講演にすることを考えながら準備を進めていました。
■講演スライドの準備で苦労したことはありましたか?
小田:掲載内容の取捨選択は本当に苦労しました…。スライドの中に画像がいっぱいあっても見づらいし、スライドの枚数が多過ぎても聴講者が疲れるので、そのバランスは強く意識していました。
深澤:取捨選択に関係することですが「”A”の情報を説明する為には、”B”の情報を事前にスライドに入れる必要がある」というように情報がツリー状になっている為、情報を差し込むタイミングを判断するのは難しかったですね。
小田:自分が講演の大筋を作った後に二人で担当を分担してたのですが「“A”の情報を説明したいから前のスライドに“B”の情報を入れて欲しい」というように、細かくすり合わせをしながらスライドを作成していきました。
深澤:スライド作成時は小田さんと席が隣だったので、やり取りが楽で助かりました。あと「データの掘り起こし作業」も苦労した覚えがあります。
小田:そうでしたね。開発における試行錯誤を解説する為に、最新の完成データだけでなく粗削りなものや問題があった時代のデータの画像・映像も見せる必要がありました。ガンバリオンは制作物のバージョン管理を行っていたので、過去のデータを掘り起こすことは出来たのですが、データ更新が頻繁に行われていたので、見せたい時期のデータかどうかを確認するのに結構時間がかかってしまい…。
深澤:データを表示するには当時の環境を再現する必要があったので、自社エンジンのデータに詳しいスタッフの方に協力してもらう事もありましたね。講演準備にあたり、沢山の方に助けてもらったので本当に感謝です…!
小田:開発の時点で、ある程度時期を区切って情報を整理・資料化できればよかったですね。プロジェクトを進める上での今後の課題も見つかったと思います。
講演本番と登壇を終えての感想・気づき
■講演発表の練習で苦労したことや本番でのトラブルはありましたか?
小田:セクションリーダーや講演の統括スタッフに同席してもらいながら発表の練習を行いました。講演時間は決まっているので、あらかじめ台本を用意して時間内に収まるように心がけていました。ただ台本を読むとどうしても抑揚がなくなってしまうので、なるべくハキハキとした話し方になるように意識しました。
深澤:話し方については何度も周りから注意を受けました。台本があると「話す」ではなく「読む」になってしまうので、メリハリをつけて話すように気をつけました。
小田:本番で大きなトラブルはなかったのですが、発表する時のPCの位置やマイクスタンドの位置まで意識をしていなかったので発表中に「マイクは手で持った方がいい」というような細かい気づきはありましたね。
深澤:思ったより本番用のPCに写る台本の文字が小さくて、練習では躓かなかったところで躓いてしまったのはちょっと後悔しています。
■実際に講演を終えての感想を教えて下さい。
小田:講演の手ごたえとしては想像よりうまくいったと思います。準備していたものをちゃんと出せました。満席ではないものの、多くの方々に聴講いただいて嬉しく思いましたし、発表時や懇親会で開発体制や技術力向上へのノウハウ等の質問をいただき、同じ業界の方々と様々な情報交換をすることができました。
深澤:準備から登壇までとにかく大変でした…!ただ登壇者として他の登壇者の方と交流したり、聴講者からの質問に答えたりと貴重な経験が出来たと思っています。社内の新人プログラマーさんから「分かりやすい講演でした」と言われたり、僕たちの講演をメインに参加したと言ってくれた人もいて本当に嬉しかったです。
■CEDEC+KYUSHUへの登壇を経験して気づいた事や思った事
小田:開発をしている時は無我夢中でプロジェクトを進めていました。後から自分たちのやったことを振り返り、形にすることで色々な方から質問を受けたり、「今後の参考になった」と声をかけてもらえたことは本当に良かったです。
深澤:他の講演を受講したら登壇者の方々が自然にお話をされていたので、改めて「発表がうまくなりたい!」と感じました。これは実際に登壇をしたから気づけたことだと思います。
小田:「講演で1時間話し続ける」のはかなり難しいですよね…。自分も講演が30分程経った時に口が疲れていることに気づきました…。深澤さんと同様に登壇する立場になって物事の視点が変わったと思います。改めて他の登壇者の発表やスライドを見てみると、発表や資料の善し悪しを実感できたことはいい経験になりました。
登壇を経て、これからの業務について
■登壇の経験を今後どんなことに活かしたいですか?
小田:スライド作りの中で学んだ情報のまとめ方や聴講者への話し方は非常に勉強になりました。特に「いかに相手にうまく情報を伝えるか」というのは今後の業務でも活かしていきたいと思います。
深澤:講演スライドを作成する際に開発データの整理や記録をこまめに行う大事さを痛感したので、今後は個人的にも意識してやっていきたいです。
■お互いに向けてメッセージをお願いします。
小田:まずは一緒に登壇をしてくれてありがとうございました!深澤さんはスライドの作り方がとても上手で、本当に助けられました。画像の見せ方が分かりやすく、記載する文章もきっちりしているので、自分が書いた文章もよく調整していただきました。講演内容についても積極的に意見を出してもらったので、より良い講演ができたと思います。
深澤:講演準備をするに当たり、小田さんに細かく開発データや資料の整理・共有していただいたおかげで、スムーズに進行ができたと思います。段取りも含めてすごく勉強になりましたし、本当にいい経験ができました。僕に声をかけていただき、ありがとうございました!
ガンバリオンを応募する人達へのメッセージ
■最後にこれからガンバリオンを応募する人達に向けてメッセージをお願いします。
小田:「今まで準備してきたものを誰かにプレゼンし、評価してもらう」という作業は、就活と今回の講演で通じるものがあると感じています。就活は今まで自分がどれだけ頑張ってきたかを発表するいい機会だと思いますので、しっかりと自分の頑張りやセールスポイントをアピールしてください!
深澤:自分はアーティストなのでポートフォリオの話を。ポートフォリオ作成は自分が満足するだけでなく、他人にとってその作品が魅力的に映るかどうか。という視点で作ると良いと思います。世の中にはたくさんの良い作品があり、それらと比べてよりいいモノを目指すこと、他人から見てもいいモノであるかを考えてみることが大事です。
26年度新卒採用の三次応募を受付中!
以上、CEDEC+KYUSHU 2024に登壇したガンバリオンスタッフへのインタビューをお届けしました。
このインタビューを見てガンバリオンに入社してからのキャリアについてもイメージして頂けると幸いです。
ガンバリオンでは26年度新卒採用の三次応募を受付中です。
募集職種はプランナー/アーティスト/プログラマーの3職種。
応募の締切は2025年7月13日です。
🔽詳細はコチラ🔽
沢山の方のご応募、お待ちしております!!