こんにちは!
ガンバリオンの広報です。
ガンバリオンではこれまでに3つの自社パブリッシングタイトル(※1)をリリースしてきました。
それぞれのタイトルには、企画立案から開発・リリース・宣伝に至るまで多くの試行錯誤があります。また自社パブリッシングだからこそ直面する課題や自由度の高さゆえの責任とやりがいも大きな特徴です。
今回は、自社パブリッシングタイトルのディレクターを務めた3人のスタッフに、企画誕生の背景や採用、開発時の裏話など様々な事を語っていただきました。
職種の枠を越えて企画に挑戦した経験や、ディレクターになるまでのキャリアの歩みは「ディレクターになって、自分の企画したゲームを開発したい!」と考えている方にとって大きなヒントになるはずです。「ゲームを作りたい」という気持ちがどう形になっていくのか、そのリアルなプロセスをぜひご覧ください。
前編の今回は、各ディレクターの入社経緯や企画立ち上げのきっかけ、企画採用に至るまでのストーリーを中心にお届けします。
(※1)自社パブリッシングタイトル:ガンバリオンが社内で企画・開発し、宣伝・販売まで全てを行うタイトルのこと
■岡田(写真左)
アーティスト職として2004年度新卒入社。『ゴロンディア』のディレクターを担当■太田(写真中央)
アーティスト職として2012年度新卒入社。『修羅道』のディレクターを担当■猪口(写真右)
プランナー職として2012年度新卒入社。『縁がわ男子とけものたん』のディレクターを担当
ディレクターに至るまでのキャリア
ーまずは皆さんがガンバリオンに入社したきっかけや就活当時、印象に残っている事を教えて下さい。
岡田:専門学校で開かれた会社説明会に参加したことがきっかけです。社内におやつコーナー(※2)が設置されていると聞き「会社でおやつが食べれる!」とテンションが上がり、他の会社にはないユニークさと親しみやすさを感じました。興味を持って調べるうちに開発作品の魅力や社風に惹かれて応募しました。
太田:自分は「IP作品を扱うゲームを作りたい!」という思いが強く、ガンバリオンは志望企業の一つでした。岡田さんと被ってしまうのですが、実は僕も説明会で聞いた、おやつコーナーの話が印象的で(笑)そこで会社に対する親近感が湧き、ガンバリオンを受けようと思いました。ゲーム会社にお堅いイメージがあったので、いい意味で裏切られましたね。
猪口:私はGFFが主催するFUKUOKAゲームインターンシップ(※3)に参加したことがキッカケでガンバリオンを知りました。当時の事で強く印象に残っているのは、面接時に担当スタッフさんと1時間半くらい話したことです。そこまで向き合ってくださったスタッフさんの熱量が印象的でした。入社後にそのスタッフさんから「せっかく面接に来てくれたので、何かしら本人の糧になるモノを持ち帰って欲しくて喋り過ぎた。」と聞きました。ただの選考ではなく、対話を通じて何かを伝えようとしてくれていたと感じて嬉しくなりました。もちろん今はそこまで長時間の面接はしていませんよ(笑)

『ゴロンディア』ディレクター岡田
(※2)おやつコーナー:当時、社内設置していたお菓子購入コーナー。現在も社内ではお菓子や軽食の販売コーナーを設置しています。
(※3)GFF/FUKUOKAゲームインターンシップ:福岡のゲーム企業と学校が協力して福岡のクリエイター育成やゲーム産業発展事業など様々な事業を実施しています。インターンシップもその一環で今年32回を迎えました。
- 現在のお菓子・軽食コーナー
- ガンバリオンもGFFに所属
- インターンシップは毎年実施中
―ディレクターになるまでに、どのような業務を経験しましたか?
岡田:入社当初は2Dキャラクターのドット絵を担当しましたが、ステージ背景選定(原作シーンのどこを背景にするか)やアイコン制作などの色々なアーティスト業務も行っていました。アーティスト業務に加えて、キャラクター仕様の調整など、プランナー業務も経験しています。これは、日頃から「ゲーム開発、特に遊びの部分に興味がある。」と周囲に伝えていたことや、企画提案の機会があれば積極的に取り組んでいた姿勢を、上司が評価し、汲み取ってくださった結果だと考えています。
太田:自分も「ゲームが作りたい!」という思いが強かったので、色々な業務に携われるように学生時代のポートフォリオにはキャラモデル、UI、背景など幅広く作品を入れていました。入社当初は背景・ステージ班に配属され、アセットやテクスチャ制作を担当し「宝箱や壺を作れて幸せだな~」と思いながら仕事をしていました。1年目が終わる頃には新企画の挿絵を描く等、遊撃的に色々な業務を任されるようになりました。2年目にUI班配属となり、今に至るまでUI一筋です。
岡田:太田さんはずっとUIを担当しているイメージが強いので、UI以外にもいろいろな事をされていて驚きました!
猪口:私は新卒の頃から操作キャラ・敵キャラ、ステージ・クエスト設計、テキスト作成、プラットフォーム対応、スタッフロール作成など様々なプランナー業務を担当しました。当時は1か月程度の新人研修の後すぐにOJTが始まり、現場の実践で覚えていくスタイルでした(※4)。1年目でボイス収録にも同行し、声優さんの演技に圧倒されながらも演技指示を出したり雑用をこなしたりと貴重な経験を積みました。現在はシナリオ制作メインですが、最初にプランナー業務を幅広く経験できたことが今に活きていると感じています。

『縁がわ男子とけものたん』ディレクター猪口
(※4)ガンバリオンの新人研修:現在の新人研修と大きく変更が加えられています。入社一年目のスケジュールは以前のBLOGにてご紹介していますので、併せてご覧ください。
企画採用の経緯
ガンバリオンでは現在、自社パブリッシングタイトルの企画を全スタッフが応募可能なコンペで決定しています。そこで3人の企画が採用された経緯について話を聞いてみました。
―それぞれの企画が自社パブリッシングタイトルとして採用された経緯を教えて下さい。
岡田:当時、他社様との新規企画に向けて、社内でコンペが実施されました。結果的にそのコンペから採用される企画は生まれませんでしたが、その後、自分が企画を担当させていただく機会をいただきました。複数の企画案を検討した中から一つに絞り込み、他社様に企画提案を行いました。しかし、さまざまな要因が重なり、残念ながら案件は流れてしまいました。ただ、企画の基礎部分はすでに形になっていたため、改めて会社から「自社パブリッシングタイトルとして開発しないか」とお声がけいただき、そこから『ゴロンディア』の企画がスタートしました。
猪口:『ゴロンディア』以前から社内でスタッフにゲーム内のアイデアを募るような取り組みはありました。自社パブリッシングタイトルのコンペほど大々的ではありませんが、「ゲーム内ミニゲームのコンペ」のように小規模なコンペは行われていました。
太田:そうでした!猪口さんは他のスタッフと一緒に考えたミニゲームが採用されていましたよね。
猪口:そうです!それがすごく良い経験で「自分のアイデアがゲームの一部として形になる」という実感を持てました。
岡田:そんな会社全体の取り組みや『ゴロンディア』リリースの流れもあり、自社パブリッシングタイトルのコンペが社内案内されました。
猪口:そこで最初に選ばれたのが太田さんの企画で、その次に私の企画が選ばれたという流れだったと思います。
―職種柄、プランナーの猪口さんは企画提出をしたと思うのですが、アーティストの太田さんは元々、企画を考えていたのですか?
太田:もちろんです!自分はゲーム会社に入社したんですから!自分の作りたいゲームを作れるチャンスがあれば、絶対に参加したいと思っていました。

『修羅道』ディレクター太田
企画段階で考えていたこと
―それぞれ企画をしていた時に考えていたこと(着想やターゲット、どんなことを意識していたのか等)を教えて下さい。
岡田:『ゴロンディア』は“操作性の分かりやすさと気持ちよさ”をベースにカジュアル層をターゲットに企画を深掘りしました。とにかく企画案を出しまくって、最終的には50案以上出したと思います…!既存のゲーム性を組み合わせる発想で様々なパターンを考え「エアホッケー×だるま落とし」の組み合わせを思いついた時に「これは面白くなるんじゃないか!」と手応えを感じました。とにかく苦しみながら気合で捻り出した思い出があります。
太田:「自分が企画したゲームを作りたい!」という思いがあったので、自社パブリッシングタイトルのコンペがあると聞いて、嬉しさしかありませんでした。自分は高難易度アクションゲームが大好きで、昔から長くプレイしてきました。「スマホでもこういうゲームが遊べたら」と思っていましたが、当時は自分の琴線に触れるものがあまり見つからず…。「じゃあ自分で作ろう!」と『修羅道』を企画しました。実はもう一つ企画を出していて、こちらは売れるゲームを目指して長時間かけて考えましたが、まったく評価されず(笑)。逆に、自分の欲望を詰め込んで3〜4時間で仕上げた『修羅道』の方が採用されました。
岡田:でも『修羅道』のように太田さんの本能のままに考えた企画の方が、案外良かったりするんですよね!
猪口:私は女性向けゲームが好きで、「女性向けゲームを作りたい」とずっと思っていました。同時に「ディレクターを経験したい」という気持ちも強く、「どうすれば企画が採用されるか」を真剣に考えました。特にアクションゲームを中心に開発してきたガンバリオンで女性向けゲームを提案するにしても、社内の方々にはイメージしづらいと思い、勢いやキャッチーさを重視しつつ、数字の根拠も用意して作戦を練って提出しました。太田さんとは真逆のアプローチですね。
太田:逆に自分にはそれが出来なかったので、初めて猪口さんの企画を見た時には本当に感心しました!
猪口:企画段階では抽象的だったゲームのコンセプトを掘り下げていく中で、「癒されたい」というキーワードにたどり着き、それを軸に『縁がわ男子とけものたん』の現在のゲーム体験が形作られました。
- 『ゴロンディア』
- 『修羅道』
- 『縁がわ男子とけものたん』
―「本能を重視した企画」と「戦略を重視した企画」、それぞれ真逆の考え方で作られたんですね。
猪口・太田:(お互いを指さして)私はこうなりたかったです!
全員:笑
岡田:大きく分けると本能と戦略に分けられるのかもしれませんが、二人の企画にはそれぞれ本能的な部分と戦略的な部分があると僕の目には映っていました。やはり企画をする上で「自分はこれが作りたい」という本能的な部分と「どうやったら企画が採用されるか」という戦略的な部分、両方が大切だと思います。
企画が採用された時の思い出
―企画が採用されたときの率直な気持ちを教えて下さい。
岡田:一番は「驚き」でしたね。先ほど話したように『ゴロンディア』は企画立ち上げは少し特殊で、別会社様との企画で結果的に話が流れてしまったので「ああ…この企画は終わったな」と思っていました。しかし、ゲームの基礎部分が完成していたので「ここまでやったなら、自社パブリッシングでリリースしよう!」という話になり、まさかの復活!「こんなことが起こるんだなぁ…」と本当にビックリしました。
太田:自分がコンペに応募した時は企画審査を行う会社役員を含むコンペ参加者全員の前で、自身の企画をプレゼンする形式でした。プレゼンを聞いている時は他スタッフの企画の完成度の高さに打ちのめされていましたね。「きっとあの人の企画が通るだろうな!」と勝手に考えていて、落ちる気満々でした(笑)それがまさかの採用と言われて…。結果発表のときは実感が湧かなくて、「え?本当に?」って感じでした。でも帰り道にじわじわと喜びが湧いてきて、スキップ気味に帰宅しましたね。
全員:笑
猪口:私の企画が採用された時、実はコンペを2回行っていました。1回目は「該当企画なし」だったので、2回目のコンペの結果発表の時は「3回目はあるのかな〜?」とぼんやり考えながら発表を聞いていました。そこで自分の企画が選ばれたので、びっくりしましたね。選ばれた当初は「本当に私の企画でいいのかな…?」と不安もありました。
岡田:猪口さんはこう言いますが、僕は猪口さんの企画書を見て「猪口さんが選ばれるだろうな。」と思っていましたよ。
猪口:えっ、そうなんですか!?
岡田:猪口さんの企画書はすごく具体的で、ゴールがはっきり見えました。企画内容も分かりやすかったし、何より猪口さんの色がとても良い形で出ていて「ディレクターになって好き勝手暴れてほしい!」って思っていました(笑)
太田:自分も猪口さんのプレゼンを見た時、「この企画は猪口さんなら絶対作れる」って確信していました。プレゼンと企画書の説得力がすごかったです。
猪口:お二人にそんな風に思ってもらっていたなんて…。すごく嬉しいです…!
―太田さんの企画が採用された際、岡田さんと猪口さんはどう感じましたか?
岡田:『修羅道』は企画の柱として絵をガツン!と見せていて、シンプルに見た目のクオリティの高さが魅力的でした。
猪口:「絵一枚で企画の良さが伝わる」っていうのがすごく強いなと感じました。これはアーティストである太田さんだからこそ出せる説得力だと思います。「企画を言葉で説明すること」はプランナーの得意分野ですが、素晴らしいアートがもつ説得力というのはやはり違うなと感じました。
- 過去のコンペの様子①
- 過去のコンペの様子②
ディレクタートークは後編に続く…
今回は3人のディレクターに企画採用に至るまでのそれぞれのキャリアや、企画が通った瞬間の気持ちなどを語っていただきました。後編はより深掘りして、実際の開発現場で感じたやりがいや苦労、ディレクターとしての学びや気づきに迫ります。それぞれのタイトルに込めたこだわりや、チームとの関わり方など、現場ならではのリアルをお伝えしたいと思います。
また、これからディレクターを目指す方やガンバリオンへの入社を考えている方に向けて、実際にディレクターを経験した3人からのメッセージもお届けします。「ゲームを作る仕事ってどんなもの?」という疑問に答えるヒントがきっと見つかるはずです。ぜひ後編もお楽しみに!
26年度新卒採用五次募集の応募を受付中!
ガンバリオンでは26年度新卒採用四次募集の応募を受付中です。
募集職種はプランナー/アーティスト/プログラマーの3職種。
応募の締め切りは2025年10月14日です。
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